国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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海を育む水源の森に

北海道積丹町

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR函館本線余市駅下車。駅前より北海道中央バスで45分で積丹町役場。役場より車を利用し30分で造林地到着
札樽道「小樽IC」から国道5号、国道229号を経て1時間10分で造林地到着
  • 水との関わり

    分収造林契約地は婦美団地・余別団地・神岬(1)団地・神岬(2)団地の4団地に分かれ、それぞれが美国川、積丹川、余別川の支流域にあり、川と海に恵みをもたらす水源林となっています。また、この河川から、積丹町内の飲料水等を供給していることから、水源林は積丹町にとって非常に重要な役割を担っています。

    ”ココ”の特色

    積丹町は、積丹半島の最先端部に位置し、積丹岳(標高1255m)の山すそにあり、町の総面積の約80%を森林が占めています。その森林を水源とした美国川と積丹川・余別川(保護水面)の3河川は、「積丹ブルー」と呼ばれる透明度の高い海に注ぎ、国定公園(海中公園)にふさわしい海を育み、ニシン漁の往時を今も偲ばさせています。雄大な大地と42kmの海岸線は、町の基幹産業の農業と漁業並びに豊かな自然景観と食材を活かした観光業を生み出しています。

    また、平成20年11月北海道森林管理局石狩森林管理署・森林農地整備センター札幌水源林整備事務所・積丹町の3者で、隣接する森林整備の効率化とコスト削減を図るため、北海道で初めて民国連携による「積丹地域森林整備推進協定」を締結し、今まで個々で整備していた作業路網を相互に活用できるように計画的なルート選定を行い、森林の持つ公益的機能の高度発揮に向けて、間伐の促進を図るとともに、木材資源活用に努めています。

    さらに積丹町は、平成22年11月に日本たばこ産業株式会社と北海道企業の森林づくり協定を締結し、水源林造成事業と併せて地域環境に適した豊かな森林づくりを目指し、生物多様性保全や森林の多目的機能向上に配慮した「海を育む水源の森づくり」の実現に向け動き出しました。

    神岬団地と積丹半島のシンボル神威岬の写真
    神岬団地と積丹半島のシンボル神威岬
  • 現在そして未来へ

    昭和39年からトドマツ・アカエゾマツ約170万本を約600haに植栽しました。昭和56年度から路網の整備を始め、平成21年度末までに約32kmの作業道を作設しており、今後も効率的な施業に向け路網整備に取り組む予定としています。

    平成21~22年には搬出間伐を30ha実施し、約800m3の材を販売しました。今後はこの地域の植生を活かし針葉樹と広葉樹の入り混じった多様で健全な森林づくりを進めていきます。

    現在(平成23年)

関係者からのメッセージ

積丹町 町長 松井秀紀さんの写真

~豊かな海は豊かな森から~

積丹町 町長 松井秀紀さん

町が誇る美しい海岸景観の背後に広がる町の総面積の8割を占める森林は、ニシンの千石場所と言われた漁業を今も町の基幹産業として支え続けている豊かな漁場を育んでいます。

コンクリート社会から木の社会へと社会構造が大きく変ろうとする時代の潮流の中で、半島の最先端という厳しい立地条件を克服しながら、漁業と農業と観光業に続く新たな町の産業として森林・林業の創出と振興に取り組んでまいりたいと考えています。

そして、当町の森と川と海が美しく調和し豊かな積丹の自然景観を育む源として大切な機能を担っている水源林造成事業は、国際森林年の今年50年を迎えます。引き続き、森林農地整備センターなどの関係機関との連携強化に努め、新たな町の森林づくり元年にしたいと思っております。

北海道でも原始に近い環境を保持している余別川の写真
北海道でも原始に近い環境を保持している余別川。保護水面で、通年水産動物の採捕が禁じられている。

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 北海道水源林整備事務所

北海道札幌市中央区北4条西5丁目1番地(西鉄・林業会館ビル3階)

tel:011-251-4586 fax:011-219-1034