国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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新郷村における水源林造成事業の効果

青森県新郷村

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR東北本線「陸奥市川駅」下車、車で1時間で造林地到着
バス 「羽井内停留所」下車、徒歩30分で造林地到着
八戸自動車道「八戸北IC」から国道454号を経て1時間で造林地到着
  • 水との関わり

    五戸川は十和田湖東方の戸来岳に水源を持ち、東流して太平洋に注ぐ、延長約50㎞、流域面積約24千haの河川で、戸来造林地はこの五戸川の上流に位置しています。その下流に位置する二ノ倉ダムは、昭和33年9月台風22号による豪雨等により五戸川が氾濫し、下流沿岸の農用地等に甚大な被害を与えたことを受け、洪水調節を目的とした防災ダムとして建設されました。

    二ノ倉ダムの洪水調節容量は2,390千m3、集水面積は約2,100haであり、そのうち水源林造成事業により造成された森林面積は約300ha(15%)となっており、五戸川流域の防災にも貢献しています。

    平成21年度搬出間伐の実施状況の写真
    平成21年度搬出間伐の実施状況

    ”ココ”の特色

    戸来造林地が所在する新郷村は、十和田湖の東側に位置し、西は秋田県境に接しています。村の総面積は約15千ha、総人口は約3千人です。

    古くは、南部班の軍馬育成のための放牧地として利用され、明治初年発行の「新撰陸奥(むつ)国誌」によれば、戸数は303余りで馬の放牧飼育が盛んで、年に良馬140頭を産するほどの名馬の産地とされておりました。

    江戸後期、明治時代には酪農を中心に農業と炭焼きが行なわれ、戦後から近年にかけては、農業・酪農を基幹産業とした村となっています。その他にも”ピラミッド・キリストの墓”伝説等、ユダヤにまつわると言われる伝承、遺跡も多く、神秘の村としても知られています。

    また、新郷村は、戦後から荒廃した森林・放牧放棄地に積極的に造林を行いました。現在では民有林面積約8千haに対し、人工林6千ha、人工林率73%は青森県内2位となっており、そのうちの約2千ha(33%)は水源林造成事業により造成された森林となっています。

    伝説の”キリストの墓”の写真
    伝説の”キリストの墓”(新郷村大字戸来)
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和36年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和36年)

    戦時中に伐採された山林や放牧の放棄地は、契約当時はネマガリタケ等が繁茂した無立木地でした。

    現在(平成23年)

    昭和38年からスギ・アカマツなど約80万本の苗木を約300ha植栽したことにより、現在では、健全な森林が造成されました。

    今後は針葉樹・広葉樹の特性に応じた保育を進め、多様で健全な森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

新郷村戸来地区 川代光納さんの写真

~水源林は私たちの生活を支える緑のダム~

新郷村戸来地区 川代光納さん

森林農地整備センター歴代の皆様におかれましては、半世紀にわたる歩みの中で地域における森林の維持造成と山林経済の振興に大きく貢献してこられたことに深く敬意を表します。

緑豊かな森林は、木材等の林産物供給や生物多様性の保全はもとより、下流域への水の安定的確保や山地災害防止に役立っています。また、三方を海に囲まれた青森県は、基幹産業の一つである水産資源の保護に大きく貢献しております。さらに、ふるさとの川に清く澄んだ水を供給し、そこで学ぶ子供達が、自然とのふれあいの中で、命の大切さや思いやりを学ぶ場所を提供しています。

一方、昨今の森林・林業の状況では、林業生産活動が停滞し、森林を適切に管理して行くことが困難になりつつあり、適切な整備が行われず放置され、公益的機能を早急に回復する必要がある森林もみられます。

このような厳しい情勢の中、公益性の高い森林を整備し、就労機会の少ない山村地域に雇用の場を提供している水源林造成事業は、私たちの生活を支える「緑のダム」として極めて重要と考えています。

作業道開設により搬出間伐作業の写真
作業道開設により搬出間伐を推進しています。

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 青森水源林整備事務所

青森県青森市長島二丁目10番4号(ヤマウビル9階)

tel:017-777-5189 fax:017-777-5192