新郷村における水源林造成事業の効果
青森県新郷村
水源林のDATA
所在地 | 青森県三戸郡新郷村大字戸来 |
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契約年度 | 昭和36年度 |
契約面積 | 約300ha |
造林地所有者 | 新郷村 |
造林者 | 同上 |
植栽樹種 | スギ(65%)・アカマツ(約35%) |

<アクセス>
鉄道 | JR東北本線「陸奥市川駅」下車、車で1時間で造林地到着 |
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バス | 「羽井内停留所」下車、徒歩30分で造林地到着 |
車 | 八戸自動車道「八戸北IC」から国道454号を経て1時間で造林地到着 |
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水との関わり
五戸川は十和田湖東方の戸来岳に水源を持ち、東流して太平洋に注ぐ、延長約50㎞、流域面積約24千haの河川で、戸来造林地はこの五戸川の上流に位置しています。その下流に位置する二ノ倉ダムは、昭和33年9月台風22号による豪雨等により五戸川が氾濫し、下流沿岸の農用地等に甚大な被害を与えたことを受け、洪水調節を目的とした防災ダムとして建設されました。
二ノ倉ダムの洪水調節容量は2,390千m3、集水面積は約2,100haであり、そのうち水源林造成事業により造成された森林面積は約300ha(15%)となっており、五戸川流域の防災にも貢献しています。
平成21年度搬出間伐の実施状況 ”ココ”の特色
戸来造林地が所在する新郷村は、十和田湖の東側に位置し、西は秋田県境に接しています。村の総面積は約15千ha、総人口は約3千人です。
古くは、南部班の軍馬育成のための放牧地として利用され、明治初年発行の「新撰陸奥(むつ)国誌」によれば、戸数は303余りで馬の放牧飼育が盛んで、年に良馬140頭を産するほどの名馬の産地とされておりました。
江戸後期、明治時代には酪農を中心に農業と炭焼きが行なわれ、戦後から近年にかけては、農業・酪農を基幹産業とした村となっています。その他にも”ピラミッド・キリストの墓”伝説等、ユダヤにまつわると言われる伝承、遺跡も多く、神秘の村としても知られています。
また、新郷村は、戦後から荒廃した森林・放牧放棄地に積極的に造林を行いました。現在では民有林面積約8千haに対し、人工林6千ha、人工林率73%は青森県内2位となっており、そのうちの約2千ha(33%)は水源林造成事業により造成された森林となっています。
伝説の”キリストの墓”(新郷村大字戸来) -
過去から現在そして未来へ
植栽当時(昭和36年)
戦時中に伐採された山林や放牧の放棄地は、契約当時はネマガリタケ等が繁茂した無立木地でした。
現在(平成23年)
昭和38年からスギ・アカマツなど約80万本の苗木を約300ha植栽したことにより、現在では、健全な森林が造成されました。
今後は針葉樹・広葉樹の特性に応じた保育を進め、多様で健全な森林づくりを進めていきます。
関係者からのメッセージ
※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。