国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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谷山水源の森

宮城県川崎町

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR東北本線「大河原駅」下車、車で40分で造林地到着
バス JR「大河原駅」からミヤコーバス川崎行き「川崎仲町停留所」下車、徒歩1時間で造林地到着
山形自動車道「宮城川崎IC」から15分で造林地到着
  • 水との関わり

    長坂山造林地は蔵王連峰の東側、宮城県南部のほぼ中央、村田ダムの上流域に位置しており、村田町への水道水や農業用水を供給する水源地となっています。この一帯で育まれた水は、村田ダムで集水され、村田町内の生活用水のほか、3町1,600haの農業用水として安定的に供給されています。当造林地を含む約800haの森林は「谷山水源の森」として平成7年8月に「水源の森百選」の一つに選ばれました。

    ”ココ”の特色

    仙台市と山形市の中間に位置する川崎町は、蔵王山麓の丘陵地帯と山間盆地からなる、都市近郊でありながら自然豊かな地域です。町の総面積27千haのうち80%が森林で、"仙台市の水がめ"釜房ダムを有し、蔵王の雪解け水を豊富に蓄える水源地帯となっています。川崎町には20件、約600haの水源林造成事業地がありますが、このうち長坂山造林地は、村田町との境に位置する村田ダムの水源地です。

    村田ダムの上流は、険しい谷により昔から人跡が少なく、このため他の丘陵地で既に失われた植生や動物も残されてきたことから、学術的にも貴重な地域として、昭和48年に造林地を含む一帯が県自然環境保全地域に指定されました。また、県による森林整備や当センターの水源林造成事業により水源地としての機能強化が図られたことから、平成7年に水源の森百選に選ばれました。

    水源林造成事業地においても昭和54年から路網整備、昭和62年から搬出間伐を実施するほか、広葉樹等の後生樹を活用した施業に取り組むなど、公益的機能が高度に発揮される森林造成を推進しています。

    48年生のスギ造林地の写真
    48年生のスギ造林地
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和56年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和56年)

    昭和38年から植栽を開始し、昭和56年までに3団地にわたりスギ・アカマツを98ha植栽しました。

    また、植栽と併せ1.7kmの作業道を作設しました。

    現在(平成23年)

    植栽後も順次路網の整備を行い、現在までに4.9kmの作業道を作設しています。

    昭和62年からは搬出間伐を実施し、今後も路網を活かした間伐木の販売に取り組むこととしています。

関係者からのメッセージ

川崎町森林組合長 大宮雄幸さんの写真

~公団とともに歩んだ山づくり~

川崎町森林組合長 大宮雄幸さん

私が所有する造林地は今でこそ林内を車で回れますが、最初に造林した昭和38年当時、造林地までの道路はまだなく、苗木は約3km下の集落から背負って運びました。下刈も手刈が普通でしたが、生い茂るササに悪戦苦闘し、公団から刈払機を借りて下刈をしたのを思い出します。

現場では、自分のやりたい山づくりを提案して、公団の職員と意見がぶつかることもありました。そんなときにも話し合いのうえ、造林者でもある私の意見を踏まえて山づくりを決めることができたのが、公団と一緒に仕事をしてよかったと思います。

今では水源林として機能する立派な山になりました。木材価格の低迷もあり長伐期にすることにしましたが、材価の回復を願い、また水土の保全にも貢献できるよう、これからも利用間伐などの手入れをしていきたいと思います。今後の成長がまだまだ楽しみです。

豊富な水を湛える村田ダムの写真
豊富な水を湛える村田ダム
ダムサイトに設置された「谷山水源の森」記念碑の写真
ダムサイトに設置された「谷山水源の森」記念碑

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 東北北海道整備局

宮城県仙台市青葉区上杉5丁目3番36号(第三勝山ビル2階)

tel:022-723-8808 fax:022-723-8810