国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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果物王国と水源林造成事業地

福島県福島市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR東北新幹線「福島駅」下車、車で30分で造林地到着
バス 「中谷地停留所」下車、徒歩1時間で造林地到着
東北自動車道「福島西IC」からフルーツライン経由30分で造林地到着
  • 水との関わり

    福島市の後背地に位置し、水源林造成事業地下流の志田地区4集落が利用する庭塚北部簡易水道(40,000m3/年)に、飲料水を安定的に供給しています。

    また、庭坂発電所(最大出力1,500kw)や農業用水の庭坂上堰及び志田堰へ水を供給しています。

    ”ココ”の特色

    天戸川は阿武隈川水系の支流で、延長約10km余り、標高差約600mを流れ落ちるほどの急流であり、上流部は急斜面に囲まれた渓谷になっています。このため、砂防・治山のダムが20基余り設置されています。

    昭和36年よりこの流域の山林所有者たちと水源林造成事業に着手し、現在では10団地で約400haに及ぶ「緑のダム」としての森林が造成され、水源涵養機能を始めとして国土保全や市街地への災害抑止の機能を果たしています。

    農業用水が供給されている地域には、約50haの水田のほかにも多くの畑地や果樹栽培地があります。とりわけ果樹栽培は盛んで、フルーツラインと呼ばれる約14kmの県道の沿線には多くの果樹園が並び、6月のサクランボを皮切りにモモ、ナシ、ブドウ、リンゴと12月まで果物を楽しむことができ、家族連れや団体客でにぎわう県内有数の観光スポットになっています。

    搬出間伐予定地の写真
    搬出間伐予定地
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和36年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和36年)

    昭和37年からスギ・ヒノキ・アカマツなど、約100万本の苗木を天戸川流域の10団地に382ha植栽しました。植栽にあたっては、地元住民が総出で苗木一本一本を丁寧に植付けました。

    現在(平成23年)

    平成20年度から開始した搬出間伐では、列状間伐を導入し、平成23年度までに約11haを実施します。また、複層林施業により二段林を造成するとともに、今後は針葉樹と広葉樹の入り混じった多様で健全な森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

吾妻造林有限会社会長 松浦四男さんの写真

~森林は水も作ります~

吾妻造林有限会社会長 松浦四男さん

私が水源林造成事業に着手する前の天戸川流域は、吾妻高原牧場を造成するため上流のブナ林を伐採し、また、里山近くのスギ林は東京で使う電柱材として伐り出されて山は荒れ果ててしまい、普段の水量は激減した反面大雨の度に濁流となり、また春の山菜の時期には山火事がしばしば発生していました。

この流域では昭和36年度から荒廃した山に植林を始め、毎年下刈りを繰り返して育てた木は今では立派な水源林となり、かつて水道が無く湧き水を生活用水として利用するのが常であった下流の集落には、今では簡易水道が整備され、また農業用水を田畑へ送る堰や水路網が改修されるなど、水資源の供給に貢献しています。更には、造林地直下にある水力発電所では、設備の改修がされるなど、天戸川の水量の安定供給に対する期待度が大きいことが感じられます。

水源林は、目に見えないところでも活躍しており、人々の生活の重要な役割を担っていると痛感しています。

天戸川と堰堤の写真
天戸川と堰堤

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 福島水源林整備事務所

福島県福島市栄町6番6号(福島セントランドビル3階)

tel:024-521-3409 fax:024-521-1838