国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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観光客の増加による水不足を解消

栃木県日光市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 野岩鉄道「湯西川温泉駅」下車、車で1時間で三河沢ダム、徒歩10分で造林地到着
バス 野岩鉄道「湯西川温泉駅」下車、車で1時間で三河沢ダム、徒歩10分で造林地到着
日光宇都宮道路「今市IC」から2時間で三河沢ダム、徒歩10分で造林地到着
  • 水との関わり

    当水源林は福島県境の枯木山を源流とする湯西川の上流部に位置します。湯西川は、急流のため古くから周辺地域においてたびたび水害を受けてきたことや、観光客が増加して水道水の不足が起きたことなどから、下流部に三河沢ダムが建設されましたが、当水源林はこの集水区域に含まれており、地域の水需要等に大きく貢献しています。

    ”ココ”の特色

    昭和40年代ころまでの湯西川地域は、豪雨時に湯西川が氾濫を繰り返して家が流される等の被害があり、冬場には川の水量が少なくなり、火災が発生すると消火の水にも困る状況でした。

    また湯西川地域は、昔から温泉場として湯治客を相手にほそぼそと旅館業を営む者もいましたが、年々観光客が増加するようになり、昭和61年10月に野岩鉄道湯西川温泉駅が開業したことを契機に次々と大型宿泊施設が建てられるようになりました。

    この観光客の増加によって水道水が不足する事態を起こすこととなり、洪水調整と利水を目的とした三河沢ダムが建設(着工:昭和59年)されました。

    三河沢ダムの集水区域には、昭和48年から水源林造成事業が進められており、平成2年までの間に約300haの植栽が実施され、観光客の増加に伴う水不足の解消など、水源涵養の公益的機能の発揮に貢献しています。

    昭和49年度植栽スギの林況の写真
    昭和49年度植栽スギの林況
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和50年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和50年)

    昭和48年からスギ・ヒノキ・カラマツなど約90万本の苗木を約300haに植栽しました。

    現在(平成23年)

    植栽後は下刈り、除間伐等の保育施業を実施して森林の整備に努め、平成19~22年度には間伐24ha等を行いました。

    今後も適切な保育施業を実施して、多様で健全な針広混交林が造成できるよう森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

湯西川財産区元作業班長 山口森さんの写真

~私が手入れした山は立派になりました~

湯西川財産区元作業班長 山口森さん

水源林造成事業の仕事には、湯西川財産区が当時の森林開発公団と分収造林契約を締結した当初から携わってきました。

一番の思い出は、昭和50年代後半の頃、『さあ明日から植付だ』という前に大規模な山崩れが起きてしまい道が使えなくなったことです。このときは、苗木の運搬に苦労しました。途中までリヤカーを使って運び、急いで作った急峻な歩道を担いで登り植付したことを忘れることができません。

現在、私も74歳になり山仕事はしていませんが、妻と山菜採りや渓流釣りに昔作業をした山へ行くことがあり、その際、山が立派に成長しているのを見て、二人で喜びを分かち合う機会が多くあります。

水源林造成事業で整備された山が、これからも立派に成長して地域に役立っていくことを期待しています。

契約地の秋の風景の写真
契約地の秋の風景

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 宇都宮水源林整備事務所

栃木県宇都宮市大通り1-4-22(MSC第2ビル3階)

tel:028-348-1711 fax:028ー348-1715