国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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施業の集約化への第一歩

新潟県新発田市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR白新線「新発田駅」下車、車で30分で作業道入口、徒歩5分で造林地到着
バス 「熊出停留所」下車、徒歩50分で造林地到着
日本海東北自動車道「聖籠新発田IC」から国道7号、国道290号を経て40分で作業道入口、徒歩5分で造林地到着
  • 水との関わり

    新発田市は、美しい海岸が広がり、山岳地帯には磐梯朝日国立公園、胎内ニ王子県立自然公園を有す豊かな自然景観に恵まれています。かつて、東洋一といわれた堤桜を有する加治川の水系によって潤う肥沃な土地が広がっており、県内有数の良質米コシヒカリの産地でもあり、当水源林はこの水源地域に位置しています。

    ”ココ”の特色

    信濃川外多くの1級河川、また広大な農地面積の越後平野を有する新潟県において、古くは江戸時代より水害に悩まされ、植林を含む様々な治山、治水事業が行われてきました。

    新発田市においても、昭和40年より水源林造成事業を開始しましたが、森林所有者の多くが小面積所有であったことから、森林所有者の集約、事業の実施に至っていない状況にありました。そのような中、地元の森林組合であるさくら森林組合が組合員(森林所有者)に対し、水源林造成事業の重要性、効率性、また将来の収穫事業における森林所有者同士の協力体制が必要であることを唱え、説明を重ねた結果、既契約地を含め4契約地、約60haを集約、団地化することに成功しました。

    事業の実施にあたっては、早くから丸太組工法等を導入、「崩れにくい作業道」を実践し、また植栽にあたっては地形等を考え、広葉樹区域を計画的に配置し、多様な森林(針広混交林)造成に取り組んでおり、新潟県における水源林造成事業の先導的役割を担っています。

    広葉樹を残置した植栽地の写真
    広葉樹を残置した植栽地
  • 現在そして未来へ

    植栽(昭和61年)から 現在(平成23年)の写真

    植栽(昭和61年)~ 現在(平成23年)

    昭和61年~63年にかけてスギを植栽し、平成17年からはスギと広葉樹による針広混交林を造成しています。平成17年度から路網の整備を行い、平成22年度末までに約3.5kmの作業道を整備しました。

    平成21年度には、新潟県下の造林者を集め作業道の研修会を行い、路網整備技術の習得に努めました。今後も引き続き路網の整備に取り組むとともに、針葉樹と広葉樹の入り混じった、多様で健全な森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

さくら森林組合宮崎組合長さん、井上参事さんの写真

~ドアを開けたら造林地~

さくら森林組合 宮崎組合長さん、井上参事さん

自分の森林がわからない、また個人での造林が非常に難しくなった昨今、山(森林)に対する重要性が失われようとしています。「ドアを開けたら造林地!」を合い言葉に団地化の推進を図り、総勢12名の森林所有者の理解を戴き、水源林造成事業を行うことができました。

森林所有者の方々も近年、カシノナガキクイムシの大発生で被害を受けていた山が水源林造成事業により被害を最小限に食い止め、また作業道を作設し、魅力的な「森林」へと変わっていく姿に感謝の声を頂きました。

また丸太組作業道の開設により、利用されずに放置される木材を有効に活用できたことが非常に大きいです。地域の利用間伐を推進し、高性能林業機械の導入にも貢献できました。さらに、木材の有効利用を推進していきたいです。

また河川、田畑が隣接し「水源林」、「里山」をイメージできる造林地であることから、今後は地元小学生や都会の住民等など多くの方から森林の良さを実感してもらえる体験学習、交流の場としても活用できればと考えています。

平成21年度研修会の写真
未来の森林・林業へつながる道へ・・・(平成21年度研修会にて)

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 新潟水源林整備事務所

新潟県新潟市中央区新光町10番地3(技術士センタービルⅡ 5階)

tel:025-368-7101 fax:025-368-7103