国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

本文へ移動する

島尻地区の水源林造成

富山県魚津市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道・バス JR北陸本線「魚津」駅下車、富山地鉄バス「魚津駅前」停留所から東蔵方面行き乗車、同「上島尻」停留所下車、徒歩50分で造林地到着
北陸自動車道「魚津IC」から県道132号を経て25分で造林地到着
  • 水との関わり

    島尻造林地は、魚津市島尻地区の水道(141m3/日(最大値)供給)の水を安定的に供給しています。また、造林地から流れる水は、農業用としても取水・利用されるなど重要な水源となっています。

    ”ココ”の特色

    昭和40年代において、造林地の所在する葡萄原は、薪炭林跡地など荒れ地が多く、夏場には、水不足に悩まされることが多くありました。

    水の確保のためには、植林が必要であると考えた島尻地区では、皆でまとまって関係各所に働きかけ、昭和48年度から森林開発公団(当時)の水源林造成事業に取り組み、生産森林組合を設立して、集落総出で植栽・保育を行うなど手入れを行った結果、従来の薪炭材主体の森林から治山治水等公益的機能を有した景観的にも優れた森林に生まれ変わりました。

    また、20年前から作業道の開設を行い、造林地の奥まで自動車で上がれるようになったことで、植栽・保育事業が一段と容易になりました。

    平成10年度に植栽された区域の写真
    平成10年度に植栽された区域
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和54年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和54年)

    昭和48年から植栽を始め、現地の状況に応じて保護樹帯を設けながら、スギ約10万本の苗木を約40haに植栽しました。

    現在(平成23年)

    昭和63年度から路網の整備を行い、約2.5kmの作業道を作設しています。

    今後は、路網整備を図りつつ間伐に取り組んでいきます。

関係者からのメッセージ

島尻生産森林組合 組合長 三井忠信さんの写真

~森林を守り水の流れを未来まで~

島尻生産森林組合 組合長 三井忠信さん

この造林地は、島尻集落の水源地として守っていこうということで、前組合長の伊藤豊治氏が中心となり、所有者の出資により生産森林組合を設立して分収造林契約により植林および保育を行い、水源林として育成してきました。

植栽当初は、夏場の渇水期には水が少なくなり、集落で給水制限を行うこともありましたが、植栽木の成長にあわせて水量が安定し、今では通年安心して豊富な水を使えるようになりました。

かつては、地元の雇用の場としても活用されてきた経緯もありましたが、今後は、この造林地を経済林としてではなく、あくまで環境林(水源林)として考え、守っていくことで水の流れが途絶えることの無いようにしたいと思っています。

造林事業30周年を記念して立てられた記念碑「自然の恵に感謝の碑」の写真
造林事業30周年を記念して立てられた記念碑「自然の恵に感謝の碑」

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 富山水源林整備事務所

富山県富山市舟橋北町4番19号(富山県森林水産会館3階)

tel:076-431-4292 fax:076-442-5501