国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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額田町水源の森

愛知県岡崎市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 名鉄名古屋本線「本宿駅」下車、車で40分で雨山ダムに到着後、徒歩30分で造林地到着
バス 「ナカシバ電工前停留所」下車、徒歩40分で造林地到着
東名自動車道「岡崎IC」から県道35号、37号を経て50分で造林地到着
  • 水との関わり

    旧額田町(現岡崎市)の南東部を流れる雨山川は、大雨が降ると荒々しく洪水が流れ、周辺住民の生活を脅かすこともしばしばでした。また、この雨山地区では簡易水道が未整備で、渓流からの不安定な取水に頼るという状況で、簡易水道事業の拡充が望まれました。

    平成9年に雨山ダムが完成し、1日最大990m3の生活用水を下流の集落に供給できるようになりました。本施設の集水区域は260haあり、市有林、財産区有林、水源林造林事業地等が大半を占め、保育事業も十分に行き届き、水源涵養機能が発揮され、同流域の給水に大きく貢献しています。

    ”ココ”の特色

    額田地域の森林は、スギ・ヒノキが主体の人工林の割合が2/3と高く、古くから柱材などの優良な建築用材が生産されてきました。

    明治時代中頃には「山焼き」が行われていましたが、一般用材の需要が増大したことから「山焼き」を廃止し、植林を奨励し、「良い木は良い手入れから」を合い言葉に造林や保育を続けてきました。

    また、昭和20年代30年代には現金収入を得るために炭焼きを行っていましたが、石油燃料が普及しはじめ、薪炭の需要が減ってきたことにともない、スギ・ヒノキへの転換が行われるようになりました。

    このような時代背景のなか、昭和37年に雨山町を中心に森林所有者(約50名)が、自分たちの山を自分たちで作ろうと集まり水源林造成事業として植林が開始され、山の手入れも森林所有者自ら行い、今では雨山・大代・河原の集落で120haの立派な水源林が造成されました。

    列状間伐の実施状況の写真
    列状間伐の実施状況
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和37年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和37年)

    昭和37年~40年にかけてスギ・ヒノキ・クロマツなど約46万本の苗木を約120haにおいて植栽しました。

    現在(平成23年)

    平成12年度から路網の整備を行い、平成22年度末までに約2kmの作業道を作設しました。今後も効率的な施業等に向け路網の整備に取り組む予定をしています。

    平成17年度・19年度・21年度には搬出間伐を行い素材を販売しました。

関係者からのメッセージ

岡崎森林組合 代表理事組合長 平松繁さんの写真

水源林造成事業 当初の思い出と今

岡崎森林組合 代表理事組合長 平松繁さん

林種転換の盛んな時代で、拡大造林が真っ盛りでした。中心となってこの事業を進められたのは、高木清司であったと思います。森林所有者が造林者となり、労賃を得ながら地域の山を作ろうと、組織作りを進められた事から始まりました。

時代は移り、現在は木材価格が日本では生産原価に届かず、分収林事業は成り立たない時代ではありますが、今の価格で決まるわけではありません。森林は環境面からの評価が見直されてきましたが、資源としても蓄積してきました。いよいよ使える時代が目の前に来ました。林業関係者としての活動は、育成原価を含めた生産原価となるような活動が必要だと思います。森林国である日本の進めるべき方向でも有るはずです。

現在は岡崎森林組合が、地域の造林者組織の代わりに、仕事を代行しています。

雨山ダムに注ぐ雨山川支川大ゾレ沢の写真
雨山ダムに注ぐ雨山川支川大ゾレ沢

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 中部整備局

愛知県名古屋市中区錦1-10-20(アーバンネット伏見ビル4階)

tel:052-220-2570 fax:052-211-2550