国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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国見岳山麓に広がる鮎川水源の森

福井県福井市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR北陸本線「福井駅」下車、車で1時間で造林地入口、徒歩1時間で造林地到着
バス 「鮎川停留所」下車、徒歩1時間で造林地到着
北陸自動車道「福井IC」から1時間15分で造林地入口、徒歩1時間で造林地到着
  • 水との関わり

    福井市西部には、越前海岸につながる丹生山地が連なり、その頂の一つに国見岳があります。この国見岳の稜線を分水嶺として、一級河川の一光川・三本木川が日本海に流れ込んでいます。この2流域にまたがる稜線沿いに6団地の福井市との水源林造成事業地が広がり、日本海に注ぐ河川や五太子簡易水道の水源林となっています。

    ”ココ”の特色

    福井市においては、戦時中の森林の荒廃とともに、終戦後の町村合併による森林面積の拡大に応じ、造林事業に力を注いできました。この造林は、林業の生産向上と共に治山・治水対策上からも重要であったので、市は積極的に普及と助成に努め、昭和38年度からは水源林造成事業に取り組んできました。当地にある6団地のうちの鮎川造林地は、福井市初の分収造林契約地であり、昭和38年11月17日に執り行われた最初の鍬入れ式では、当時の福井市長自らが参加し植栽しました。また、造林作業に市が直接従事し、その後も隣接する地域の市有林だけでなく、私有林も含めて森林開発公団(当時)との分収契約が相次ぎ、造林が実施され、山村での雇用創出にも寄与しました。

    この地域の造林地には昭和39年の国見造林地を始め、五太子1号・五太子2号・国見元町・横谷造林地が加わり、一大造林地となりました。現在は、市と森林農地整備センターによる適切な森林施業が実施されており、水源涵養や土砂災害防止等の公益的機能を有する水源林となっています。

    鮎川造林地内に咲き誇るヤマアジサイの写真
    鮎川造林地内に咲き誇るヤマアジサイ
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時の鮎川造林地(昭和38年)の写真

    植栽当時の鮎川造林地(昭和38年)

    昭和38年から、鮎川・国見・五太子1号・五太子2号・国見元町・横谷の6造林地182haに約62万本のスギ・アカマツの苗木を植栽しました。

    平成2年度から路網の整備を行い、平成21年度末までに約7kmの作業道を作設し、除伐、間伐などの作業を実施してきました。今後も効率的な施業に資する路網整備に取り組んでいきます。

    今後も搬出間伐に向けて、各造林地で準備を進めるとともに、森林のもつ水源涵養などの公益的機能が十分に発揮できるよう、森林整備を進めていきます。

関係者からのメッセージ

福井市林業水産課 課長 大浦和博さんの写真

~水がつなぐ森林と海の縁~

福井市林業水産課 課長 大浦和博さん

福井市の林業水産課は、町村合併による山林面積の増大によって、林業が当時の市の主要産業となったことにより、昭和34年に農務課から拡充されてできた農林水産課の流れを組む課です。昭和43年に林業水産課として独立してからも、林業と水産業は市の重要な産業として、市行造林や漁港整備等の各種事業に取り組み、産業の振興に寄与してきました。

近年、木材価格の低迷などから、林業の不振が伝えられていますが、林業は木材生産だけでなく、森林のもつ公益的機能の発揮にも貢献する産業であり、森林からの水が海へと注ぐことにより幸あふれる豊かな海が育まれます。そんな水がつなぐ森林と海の縁に感謝するとともに、歴代の担当者が造林地にこめた思いを酌みながら、今後も豊かな森林が次代に引き継がれるよう、森林整備に取り組んでいきたいと思います。

清涼感あふれる五太子の滝の写真
清涼感あふれる五太子の滝

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 福井水源林整備事務所

福井県福井市中央三丁目6番2号(損保ジャパン福井ビル7階)

tel:0776-23-4042 fax:0776-25-0313