国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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護摩壇山自然の森

和歌山県田辺市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 南海電鉄高野線「高野山」下車、車で2時間で造林地到着
バス 南海りんかんバス「護摩壇山停留所」下車、徒歩1時間で造林地到着
阪和自動車道「有田IC」から国道424号を経て3時間で造林地到着
  • 水との関わり

    紀州の屋根と呼ばれる護摩壇山は日高川の源流として80,000t/日の流水を供給し、田辺市をはじめ2市1町の水道水を安定的に供給するとともに、下流の椿山ダムでは発電を始め多目的に利用されています。また、護摩壇山山麓より湧き出る弘法大師が発見したとされる石清水「錫杖の水」は「龍神の自然水」として販売されています。なお、護摩壇山自然の森は平成7年に「水源の森百選」に選ばれました。

    ”ココ”の特色

    日高川は急流で蛇行が多く、夏期の雨量が多いため、しばしば流域に水害をもたらしてきました。なかでも昭和28年に発生した水害では、死者行方不明者289名という大災害をもたらしました。

    戦後、国の施策として国土の保全、緑化の推進、資源の造成が叫ばれるようになり、日高川上流の一帯もこの保安林政策の一環として昭和37年より水源林造成事業に取り組み、680haを越える造林事業を実施しています。また、植栽当初よりスギ、ヒノキの針葉樹とブナ、ナラ等の広葉樹がモザイク状に配置された針広混交林の造成に取り組んでおり、治山治水等の公益的機能を有し、景観的にも優れた森林に生まれ変わりました。

    針広混交林の状況の写真
    針広混交林の状況
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和45年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和45年)

    昭和37年からスギ・ヒノキ約144万本の苗木を480haに植栽しました。

    現在(平成23年)

    平成18~20年には造林木の競合を緩和するための除間伐を約100ha実施しました。

    今後は適切な間伐を実施し、後生樹を活用しながら 針葉樹と広葉樹の混じった、多様で健全な森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

住友林業フォレストサービス(株)森林管理部和歌山山林事業所長 木坂政義さんの写真

~適切な保育施業は森を育てます~

住友林業フォレストサービス(株)
森林管理部和歌山山林事業所長 木坂政義さん

私がこの分収林を初めて担当したのは昭和61年のことです。当時はまだ15年生位の人工林でしたが、標高が高く、気候も厳しいことから、決して生育も良好とは言えない森林でした。このままで本当に山になるのだろうかという不安もあったと記憶しています。

その後20年余りの年月が経過し、再び担当する機会を得ました。その時、目の当たりにした森林は、見違えるほどに生育していたので、とても驚きました。このことはこれまで先輩方々が、下刈、除伐、保育間伐等の保護管理を適正に実施してきた努力の賜物ではないかと感じます。

これからは、水源林としての機能の向上と、成熟しつつある森林資源の有効活用を図るために、作業道の開設や収入間伐を適切に実施していきたいと思います。

山麓より湧き出る石清水(錫杖の水)の写真
山麓より湧き出る石清水(錫杖の水)

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 和歌山水源林整備事務所

和歌山県和歌山市湊通丁南四丁目18番地(林業会館2階)

tel:073-425-3569 fax:073-425-0599