水持ち山の復活
島根県奥出雲町
水源林のDATA
所在地 | 島根県奥出雲町横田 |
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契約年度 | 昭和38年度 |
契約面積 | 353ha |
造林地所有者 | 個人 |
造林者 | 同上 |
植栽樹種 | スギ(30%)・ヒノキ(60%)・マツ(10%) |

<アクセス>
鉄道 | JR木次線「出雲坂根駅」下車、車で5分で造林地到着 |
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車 | 中国自動車道「庄原IC」もしくは「東城IC」から国道314号を経て1時間で造林地到着 |
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水との関わり
室滝造林地は神話の国出雲に流れる斐伊川の源流地帯にあり、古事記の八岐大蛇伝説の舞台となった地域でもあります。この森で育まれた水は坂根ダムに集水され、奥出雲町内の農業用用水として利用されています。また、下流には、国営農地開発事業で造成された果樹園や農地があり、葡萄やブルーベリー、日本穀物検定協会より特Aの評価を受けた仁多米を生産しております。
なお、平成7年8月には、「八川水源の森」として水源の森百選に選ばれました。
”ココ”の特色
島根県奥出雲地方では、非常に良質な砂鉄が採れることから、たたら製鉄が古来から幕末、明治にかけて盛んに行われ、西洋式製鉄に移行する大正末期まで続きました。たたら製鉄では大量の木炭を使用することから、木炭生産も並行して行われ、たたら製鉄が終わった後も燃料革命が起こるまで盛んに木炭生産が続きました。
ここ、室滝山は古くから地元の人に「水持ち山」と呼ばれていましたが、昭和20年代、30年代に入り、家庭燃料が木炭から石油、ガス等に移り変わると、木炭の需要が急激に細り、炭焼き人が次々と山から下り、薪炭林は荒廃していきました。
昭和39年からは、分収造林による植林が進むと、次第に河川の水量が安定してきて、その水を有効利用するために平成4年には潅漑用として総貯水量790,000m3の坂根ダムが竣工しました。このダムの水は奥出雲町内の430ha、584戸に農業用水を供給しています。
また、近くにはJR木次線が通っており、最寄り駅の出雲坂根駅構内には「延命水」と呼ばれる天然水が湧き出て、年間30万人(推定)の人に利用され親しまれており、この上流域にも水源林造成地が拡がっています。
室滝造林地内 -
過去から現在そして未来へ
植栽当時(昭和43年)
昭和39年からスギ・ヒノキ・アカマツ約105万本の苗木を333haに植栽しました。
現在
これまで、約23kmの作業道を開設し、造林、間伐施業に有効に利用しています。また、平成21~22年度にかけては44ha、2,630m3の搬出間伐を行い、間伐材の販売を行いました。
関係者からのメッセージ
※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。