国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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種子川水源の森の復元

愛媛県新居浜市

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR中予讃線「新居浜駅」下車、車で20分で登山道入口、徒歩1時間で造林地到着
バス 「桧端停留所」下車、徒歩1時間で登山道入口、さらに徒歩1時間で造林地到着
松山自動車道「新居浜IC」から10分で登山道入口、徒歩1時間で造林地到着
  • 水との関わり

    「種子川」造林地は新居浜の大切な水源として、計画日最大給水量78,200m3/日の流水を供給する「新居浜市上水道」の上流に位置し、水道水を安定的に供給しています。また、船木地区の核となる農業施設として、受益面積343haを有する重要なかんがい用水として利用されている「池田池」の上流にも位置しています。

    ”ココ”の特色

    船木地区は、地元に本県内の3大池の1つに数えられていた「池田池」がありながら、地元の水田には水を引く権利がありませんでした。

    昭和27年、長年船木の人達が求めてきた池田池を、川東四カ村から譲受し船木地区の所有となりました。

    そして、昭和30年には土地改良区設立認可を受け、昭和32年の県営かんがい排水事業により、池田池の大改修工事が行われましたが、池田池の直接流域は僅か63haのため、間接流域911haより導水するよう「市場川」、「客谷川」、「考々谷川」より、導入路によって貯水するように改修されました。

    こうした中、これら3河川の上流に位置する「種子川」造林地は重要な水源林として今日まで整備されてきました。

    契約地からの望む池田池の写真
    契約地からの望む池田池
  • 過去から現在そして未来へ

    間伐実施状況と林内の状況の写真

    間伐実施状況

    昭和40年~47年にかけて425haにスギ・ヒノキなど約158万本の苗木を植栽しました。

    植栽が一番多い昭和41年には、34万本の苗木を87haに植付し、延べ6,320人で作業しました。

    林内の状況

    平成19年度から路網の整備を行い、平成21年度末までに契約地内に約4kmの作業道を開設し、今後も更に作業道の開設を予定しています。

    平成21年には搬出間伐を51ha実施し、130m3の材を販売しました。

    今後は後生樹の活用を図りながら針葉樹と広葉樹の混じった、多様で健全な森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

いしづち森林組合 森林管理課 宮城正明さんの写真

~森林は水も作ります~

いしづち森林組合 森林管理課 宮城正明さん

私が森林組合に入って間もなくの頃、今でも鮮明に覚えています。歩いても歩いても目的地にたどり着かず、結局たどり着いたのは3時間半後。着いて初めにした作業は「お弁当を食べること」でした。それがこの新居浜市種子川にある造林地です。この広大な面積に苗木を担ぎ上げて植林をし、今まで育ててきた先人達には本当に頭の下がる思いです。しかし、平成19年から念願の作業道開設事業を実施し、今では契約地外をあわせて総延長6,000mにも及び、車で現地まで乗り付けることが出来る喜びを日々感じています。また、この作業道を利用して、去年初めて間伐材の搬出を行うことができ、これまで育ててきた木がようやく日の目を見ることができました。これからは、この作業道を利用した森林整備を進めていき、経済林としての役割を果たすとともに地域の水資源環境を守る役割を果たしていける森林となるよう、引き続き努力していきたいです。

清流種子川(新居浜市)の写真
清流種子川(新居浜市)

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 松山水源林整備事務所

愛媛県松山市三番町四丁目4番地1(愛媛県林業会館4階)

tel:089-931-2853 fax:089-931-2516