国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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中の川地区の水源林

高知県梼原町

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR土讃線「須崎駅」下車、車で1時間20分で中の川集落、徒歩1時間で造林地到着
バス 「中の川口停留所」下車、徒歩2時間で造林地到着
高知自動車道「須崎東IC」から国道197号を経て1時間20分で中の川集落、徒歩1時間で造林地到着
  • 水との関わり

    梼原町の北東部に位置する中の川地区は、戸数14戸、人口32名の集落です。昭和36年度から41年度にかけて水源林造成事業による植林が行われ、森林が整備され水量が安定したことから、町は平成4年度に集落の飲料水供給施設を水源林造成地の直下に建設しました。この施設の集水区域約97haのうち、水源造成事業地が占める割合は80%(75ha)に及びます。造林開始から40年以上が経過し、今では、スギ、ヒノキの立派な森林となっており、清らかな飲料水を安定的に各家庭に供給しています。

    ”ココ”の特色

    昭和41年当時の梼原町内の契約と3年後の状況(平成21年度)の写真

    昭和41年当時の梼原町内の契約

    43年後の状況(平成21年度)

    梼原町は、日本最後の清流として知られる四万十川の上流域に位置し、昭和30年代前半まで木炭生産や紙の原料であるミツマタの栽培などが活発に行われた地域です。昭和30年代以降、百円紙幣の廃止によるミツマタ栽培の衰退や木炭生産の低迷、戦後の「山景気」による過剰な伐採などを背景として、町は採草地の利用低迷などで荒廃が危ぶまれた土地に水源涵養と将来の財産づくりを兼ねて造林を進める方針を打ち出しました。「町土の全山緑化」「植樹栄郷」を合い言葉に造林が行われ、その結果、現在では町内に約1万3千haの人工林が造成されました。このうち、1割を超える約1,500haの森林は、水源林造成事業により造林されました。

  • 過去から現在そして未来へ

    現在の状況(平成23年)と林内の状況の写真

    現在の状況(平成23年)

    飲料水供給施設

    昭和36年度から41年度にかけてスギ・ヒノキ約25万本の苗木を75haに植栽しました。植栽後、下刈、除伐などの保育事業を行い、更に適正な森林に誘導するための間伐事業を平成10年度から21年度にかけて実施しました。また、事業を行うために必要となる作業道をこれまでに1.4km開設しています。

    今後とも、地元に密着した水源林を大切に護り育てるとともに、水源林(もり)が育んだ水を安定して供給できるよう努めています。

関係者からのメッセージ

中の川地区 中越健男さんの写真

~森林からのめぐみ~

中の川地区 中越健男さん

私は、昭和9年生まれです。ずっとここで暮らしています。子供の頃は、この辺りは皆が炭焼きやミツマタの栽培を主な生業としていました。それも戦後、急激に減って行きました。昭和30年代の半ばに造林事業がこの地区で始まりました。ちょうどその頃、水源林造成事業がこの地区にも導入されました。当時は、公団造林と言ってました。造林による収入ということは、それまで考えてもみませんでした。現金収入の少ない時代でしたので、植林から育林の仕事はありがたいことでした。私も最初からこの仕事に携わってきました。競って苗木を背負って運んだものです。今では立派な森林になりました。そのおかげで地区に水道施設が出来ました。昔、大雨の後は濁り水が出て苦労したものです。今ではそんなことはなくなりました。ありがたいことです。山を守り育てることは苦労がありましたが、めぐみを地区にもたらしてくれました。

中の川地区の水源林造成地の写真
中の川地区の水源林造成地
下流域の状況(四万十川)の写真
下流域の状況(四万十川)

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 高知水源林整備事務所

高知県高知市駅前町5番5号(大同生命高知ビル2階)

tel:088-883-5672 fax:088-861-8131