国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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水源林から流れる千畳の滝

熊本県山江村

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR薩摩線「人吉駅」下車、車で1時間で観音神社、徒歩40分で造林地到着
バス 「水無停留所」下車、徒歩1時間で造林地到着
九州自動車道「人吉IC」から県道17号を経て1時間で観音神社、造林地到着
  • 水との関わり

    当水源林のある山江村の中心部には万江川が流れています。この川は、水が大変澄んでおり、たくさんの蛍を見ることができます。また、ヤマメやアユを漁ったりして楽しむことができます。

    また、万江川は、人吉市に入り日本三大急流である球磨川と合流します。この万江川の支流に水無川があり、周辺には水源林造成事業により約225haの水源林が成林し、下流では水無飲料水施設から水無集落に水を供給しています。

    ”ココ”の特色

    山江村は、面積の88%が森林です。近年は、林業で生活している林家が減少しています。

    村の北部に位置する水無地区は、地形が急峻で地質が石灰岩類となっており、鍾乳洞も存在します。水源林造成事業を実施する前は、この周辺は薪炭林として利用されており、荒れた山が多く雨水の保水が困難な状況でした。

    一方、この地区には、滝が多く存在し大小の滝を合わせると千畳にも達すると言われています。このことから、一番大きな滝(落差30m)は千畳の滝と命名されました。この滝も渇水時期には水の流れが無く枯れた状態でしたが、昭和46年~昭和54年の間にスギ・ヒノキが225ha植林され立木が大きくなるにつれ水源涵養機能が確保され、近年は、常時水が流れており、下流の水無集落の生活用水となっています。

    千畳の滝の写真
    千畳の滝
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽後5年(昭和56年)と現在(平成23年)の比較写真

    植栽後5年(昭和56年)

    現在(平成23年)

    昭和54年度から路網の整備を行い、平成22年度末までに約7.3kmの作業道が作設され、間伐材の搬出に有効に利用されています。今後も計画的に路網整備を予定しています。

    平成21~22年には間伐を36ha実施し、885m3の材を搬出しました。

    また、隣接する契約地には、平成22年度に幹線となる作業道が整備され、効果的・効率的に間伐等の森林整備が推進することが出来るようになりました。

関係者からのメッセージ

山江村森林組合 代表理事組合長 冨岡隆治さんの写真

~森の水と分収造林~

山江村森林組合 代表理事組合長 冨岡隆治さん

この地区は、字名が平谷と言われ、名のとおり千畳の滝の源はなだらかな傾斜で谷沿いには菖蒲が自生しており、地元では菖蒲谷と呼ばれ大変水量が豊富な谷でした。しかし、戦後の復興期に滝の上部の木材が大量に利用され、いつしか菖蒲もなくなくなり渇水期には、たびたび滝の水も涸れる状態になりました。

そこで、分収造林契約により昭和46年から植林していただき現在では立派な水源涵養林に成長しました。分収造林により山がよみがえり水の豊富な地区となりました。これからも山江村の森をまもり、たくさんの人の協力を得ながら、分収造林と共に森林整備を行っていきたいと思います。

団地内に完成した作業の写真
団地内に完成した作業

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 熊本水源林整備事務所

熊本県熊本市中央区中央街2番11号(熊本サンニッセイビル6階)

tel:096-311-5550 fax:096-311-5551