国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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民国連携による共同施業

熊本県五木村

水源林のDATA

<アクセス>

鉄道 JR肥薩線「人吉駅」下車、車で1時間30分で折立入口、徒歩1時間で造林地到着
バス 「平瀬停留所」下車、徒歩1時間で造林地到着
九州自動車道「人吉IC」から国道445号を経て1時間30分で造林地到着
  • 水との関わり

    五木村の中心部には宮崎県との境に位置する国見岳を源とする五木川が流れています。五木川は五木村内で五木小川と合流し、以降川辺川となり人吉市で球磨川と合流しますが、この五木小川の上流域から源流部にかけて1,800haの広大な水源林が成林し、そこから生まれる水は内谷ダムの揚水発電や下流部の五木村中心部に設置された頭地簡易水道に利用されています。

    ”ココ”の特色

    五木村は、面積の96%が森林であり、林業で生活していた村も、昭和41年に事業が開始されたダム計画から若者が都会へと流れ、現在では林業の跡継ぎが少なく、山を守る者が高齢となっています。一方、熊本県の水源林造成事業において五木村は県内一番の契約規模となっており、更にこの折立周辺では隣接地に間伐時期を迎えた国有林、私有林、社有林が存在していることから、各事業者が協力して安全で豊かな水の供給や災害防止・路網の整備等を行い運搬コストの削減や高性能林業機械による施業を可能とするための協定を結びました。この協定は「五木地域森林整備推進協定」と称し、九州で第1号となる「民国連携」の協定となりました。熊本南部森林管理署、森林農地整備センター、住友林業(株)及び九州横井林業(株)が協定を締結し、運営会議等で情報の共有をしながら効率的な森林整備を行っています。

    施業団地内に完成した作業道の写真
    施業団地内に完成した作業道
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和36年)と間伐後の林内状況(平成23年)の比較写真

    植栽当時(昭和36年)

    昭和36年からスギ・ヒノキなど約540万本の苗木を1,800haに植栽しました。

    間伐後の林内状況(平成23年)

    協定地域内は、昭和52年度から路網の整備が徐々に始まり、開設された作業道を利用した間伐が行われています。平成21年度末までに約97kmの作業道を作設しており、今後も効率的・効果的な路網整備と森林整備を進めていきます。


    水源林造成事業は、今後収穫業務のウエイトが大きくなることから、木材の搬出にかかるコスト縮減が大きな課題となります。

    事業主が単独で森林整備事業を実施するよりも、同じ目的をもった森林所有者・管理者が連携・協力すれば、間伐等の森林整備がより効率的に推進され、地域林業の活性化が図れると考えています。

関係者からのメッセージ

九州横井林業(株) 代表取締役 那須主隆さんの写真

~民国連携による効果に期待~

九州横井林業(株) 代表取締役 那須主隆さん

八代市坂本と隣接する五木村平瀬に山林があり、陸の孤島のようなところでした。平成22年度から事業を始める計画をしているところに、隣接する熊本南部森林管理署、森林農地整備センター熊本水源林事務所により話があり、森林整備推進協定を結ぶことができましたことに深く感謝しています。五木村平瀬地域は作業路網の整備が遅れていて、これから国、民有林が連携して整備されていくと思います。当社も県、村、森林組合等の協力を得て、平成22年度の補助事業で、作業道の開設を実施しています。開設後は、森林の管理、輸送コストの低減が計られると期待しています。今後、集約化した団地として森林整備がなされ、益々森林資源の有効利用がなされていくと思われます。

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 熊本水源林整備事務所

熊本県熊本市中央区中央街2番11号(熊本サンニッセイビル6階)

tel:096-311-5550 fax:096-311-5551