国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター Forest Research and Management Organization

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薩摩における公団造林発祥の地

鹿児島県さつま町

水源林のDATA

<アクセス>

バス 「鶴田中学校前停留所」(さつま町鶴田支所)下車、約8km、車で20分で鶴田ダム、造林地到着
九州自動車道「栗野IC」から268号を経て1時間で鶴田ダム、造林地到着
  • 水との関わり

    鶴田ダム(大鶴湖)は、熊本県の白髪岳を源とし、熊本県・宮崎県・鹿児島県の3県を貫流して薩摩灘に注ぐ延長137km、一級河川・川内川の中流付近に位置し、昭和41年3月に竣工した多目的ダムです。その下流の川内川沿いには上水道や簡易水道の施設があり、地域の重要な水源となっています。この地域一帯の森林施業については、水源林造成事業による水源林の造成のほか、治山事業(水源流域広域保全事業)で間伐や谷止工等を実施しています。

    ”ココ”の特色

    さつま町神子地内の契約地の一部は、昭和36年に公有林野等官公造林事業から移行し、鹿児島県で最初に実施された水源林造成事業地です。

    昭和40年には、平江山火災が発生し約200haもの山林が焼失するという大被害を被りました。その中の高尾団地は、焼跡地の復旧を水源林造成事業で実施した箇所です。

    この地域一帯は、私有林と町有林で主に薪炭林として活用されて荒廃していましたが、戦後、鹿児島県が進めた村おこし事業としての経済自立化運動の一環として、鶴田町(現さつま町)において10ヶ年計画が立てられ、昭和27年から人工林の造成(毎年約80haの新植)等が実施されました。昭和30年前後には直営造林(地元の雇用対策を含む)や官行造林が始まり、続いて昭和36年からは水源林造成事業が実施されました。

    搬出間伐の実施状況の写真
    搬出間伐の実施状況
  • 過去から現在そして未来へ

    植栽当時(昭和36年)と現在(平成23年)の比較写真
    ※赤線から下はダム敷範囲

    植栽当時(昭和36年)

    昭和36年からヒノキ・スギなど約130万本の苗木を435haにわたり植栽しました。

    現在(平成23年)

    昭和63年度から路網の整備を行い、平成21年度末までに約13kmの作業道を作設しました。今後も効率的な施業に資する路網整備を予定しています。

    平成21年度には搬出間伐を約10ha実施しました。

    今後は針葉樹と広葉樹の混じった、多様で健全な森林づくりを進めていきます。

関係者からのメッセージ

さつま町鶴田支所 耕地林業課長補佐 柳田克己さんの写真

~豊かな水を育む森~

さつま町鶴田支所 耕地林業課長補佐 柳田克己さん

鶴田ダムの上流にある平江山には、町有林約430haがあります。

この町有林は薪炭林・無立木であったため、村おこし事業としての経済自立化運動で昭和27年官行造林事業を導入し、年次計画で人工造林の造成を実施してきました。また、昭和33年分収造林特別措置法が制定され、水源林造成事業で昭和36年より約150haの分収造林が先人の努力より導入されました。

近年、森林は木材生産を主体とした施業から公益的機能の役割に期待が高まっています。降水を浸透させゆっくりした流出をもたらす浸透性と保水性を持ち、洪水を軽減し渇水を緩和する水資源の涵養や町土の保全、温暖化防止など多面的な機能を持続的に発揮するよう適正管理に努め、森林の育成を図っていきたいと思います。

薩摩地域の水を支える鶴田ダム(大鶴湖)の写真
薩摩地域の水を支える鶴田ダム(大鶴湖)

※ このメッセージは、「全国の水源林50選」策定当時(平成24年)のものであり、現在の団体名や役職名等と必ずしも一致しない場合があります。

問い合わせ先

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター 鹿児島水源林整備事務所

鹿児島県鹿児島市山之口町2番30号(鹿児島第一生命ビルディング5階)

tel:099-223-2261 fax:099-223-2262