1.山形県の概要
1.地勢
山形県の流域(最上川)は東部に船形山、熊野岳等が連なる奥羽山脈が南北に走り、南部に三国岳等の飯豊山地及び西吾妻山等の吾妻山系が東西に伸び、中央部には月山、等よりなる出羽丘陵及びその西部には大朝日岳を主峰とする朝日山系が連なる。最上川はこれらの山系に源を発し、多くの支流を合わせて本流域中央部を北流し、内陸部に米沢、山形及び新庄の三盆地及び下流域に庄内平野を形成して酒田市にて日本海に注いでいる。また、奥羽山脈は褶曲山脈であって、分水嶺は著しく西に偏し、西側斜面は極めて急傾斜をなしている。なお、最上川は山形県にとって「母なる川」として、今昔から地域文化に深く係わってきている(流域面積は山形県の86%を占める)。
2.地質
山形県は第三紀層、第四紀層及び火成岩からなっているが、山地の6割は、凝灰岩、頁岩、砂岩、礫岩の第三紀層が占め、朝日、飯豊、吾妻の各山系及び神室山地には、花崗岩が分布している。
3.気候
- (イ)気象の特徴
- 山形県の気象は、日本海に面する海岸部と内陸部に大別され、内陸部は更に最上、村山、置賜の3地域ごとにその特性が異なる。庄内平野を中心とする海岸部は海洋性気候を呈し、多雨多湿で冬季には北西の強い季節風が吹く。内陸部は一般的に気候が温暖で気温較差が大きいが、新庄市を中心とする最上地域は積雪が多く夏季には豪雨に見舞われることが多い。山形市を中心とする村山地域の平野部は、一般的に寡雨、寡雪であるが月山、朝日山系の山間部は、全国有数の多雨、多雪地帯であり、米沢市を中心とする置賜地区は、温和な気候であるが吾妻山系の山間部は多雪地帯である。
- (ロ)降水量と気温
- 過去10ヶ年の平均降水量及び気温は山形市で1,170mm(11.9度)、米沢市1,449mm(11.4度)、酒田市1,953mm(12.8度)である。