1.長崎県の概要
1.地勢
長崎県は、九州の西部に位置し、東は佐賀県に接しており、北は日本海西および南は東シナ海に面し、三方を海に囲まれ、西海上に五島列島、西北海上に壱岐、対馬がある。県内には70余りの島しょが県土の45%を占めている。陸地は平担地に乏しく、山岳丘陵が起伏し、多くの半島、岬、湾、入江が曲折している。地形は比較的急峻である。
主な山岳は、佐賀県境部に経ケ岳、五家原岳、島原半島には普賢岳、国見岳などがある。
水系は短く、一級河川は本明川のみで大きな河川はない。
2.地質
北部および壱岐は、玄武岩におおわれた新第三紀層からなっている。
西彼杵半島・長崎半島は、古生層の結晶片岩からなり、同半島の西方に浮かぶ崎戸から高島にいたる諸島は、古第三紀層の石炭を含む地層からなっている。
中央部から島原半島にかけては、上部を輝石安山岩等におおわれた新第三紀層からなっている。
また、対馬および五島の諸島は第三紀層の砂岩・頁岩に石英班岩、閃緑岩、玄武岩等の火成岩が噴出している。
3.気候
長崎県は陸地の大部分が半島と島しょから形成され、海岸からの距離も近く、全般に暖流と季節風の影響を強く受け、さらに次のように細分される。
- 北部は、冬期には季節風が強く日本海型気候に近い。
- 有明海沿岸、内陸部は、昼夜の気温差が大きく、夏は非常に暑く冬の冷込みは厳しい。
- 対馬および壱岐は、冬期には大陸からの季節風の影響を直接受け低温で、西北部と南東部とでは気温の差が著しい。
- その他の大部分の地域は、比較的多雨で、冬はやや温暖で、夏の暑さも比較的穏やかである。
年平均気温は、16度前後、最高気温は8月の30度~34度程度、最低気温は-2度~-3度程度である。
年間降水量は2,000mm程度で、多雨地域の雲仙、多良岳、国見岳で2,600mm前後、小雨地域の対馬・五島列島北部で1,600mm前後となっている。